突如ある家族の前に現れた白い迷い猫は、猛烈なアピール力で家の中に迎えられました。
「シロ」と名付けられた白猫は、家族の3人目の「マザコン」に急成長。
そして家族はあっという間にシロの虜に。
効果音や加工はほぼなく、BGMは家族の会話と生活音、テロップには父のつぶやき。そしてときには家族の食事風景だけが流れるという不思議な家族動画が、2025年の推し猫グランプリ総合部門3位を受賞しました。
シロちゃんと明るく笑いの絶えないご家族の物語は、実は家族だけでは生まれなかったものだそうです。
今回のインタビューでは、シロちゃんとご家族のエピソードに加え、SNSを通じて出会った温かい視聴者の方々の存在について、おっとう様にたくさんお話をお聞かせいただきました!
◎ある家族 × 白い迷い猫
・YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/@shiroi.mayoineko2023
(フォロワー数::24.5万人(2025年11月時点))
・Tiktok:https://www.tiktok.com/@jin.12130
・Instagram:https://www.instagram.com/shiroi.mayoineko.2023/?hl=ja
≪家族プロフィール≫
●シロ
推定2歳の男の子。とにかく人懐っこい甘えん坊。
●おっとう
グラフィックデザイナーで、シロ動画の配信者。
シロはもちろん、家族を愛してやまない素敵な父。
●おっかあ
天真爛漫で子煩悩、そして天然。なのに仕事はできるタイプ。
シロが一番溺愛する存在。
●長女(大学生)
女の子らしい優しいお姉ちゃん。
猫アレルギーにもかかわらず、シロにメロメロ。シロもまた彼女が大好き。
●長男(高校生)
勉強は天才的!ただしどこか抜けている。
クールに見えて実はシロにデレデレ。
●次男(中学生)
運動神経は超一流!バスケの県選抜に選ばれる実力者。
シロが好きすぎて構い過ぎる傾向あり。シロにとっては一番の遊び相手。
(2025年11月時点)
◎『推し猫グランプリ2025』3位受賞!
Q..『推し猫グランプリ2025』3位受賞おめでとうございます!受賞を知った時のお気持ちを教えてください。
シロを有名にしたいとか勝ちたいとは全く思っておらず、視聴者さんからエントリーしなよとたくさん言われて興味を持ち、グランプリの主旨に賛同して参加を決めました。
僕みたいに全く猫に興味がなかった人間が、ちょっとでも猫を好きになるきっかけになるのなら、と軽い気持ちで参加してみたんですよね。
でも参加をアナウンスしたところ、視聴者さんみんなが協力してくれました。チームスポーツのような感覚で、仲間として楽しんで活動したところ、3位という結果が出ました。みんなで協力した結果、受賞をいただけたことが嬉しかったです。
■推し猫グランプリ受賞をお知らせしたSNSや結果発表サイトには、温かいメッセージがたくさん寄せられました!
シロちゃん、準々グランプリおめでとう〜💓可愛い猫ちゃんな沢山いる中での準々グランプリはすごい👍シロちゃん推しの私も、幸せな気持ちでいっぱいです😊
準々グランプリ、おめでとうございます🎉私としてはグランプリだと思ってました❤順位ではなくシロちゃんの可愛さや面白さがもっともっと広がれば嬉しいです😊❤️🎀幸せな猫ちゃんが増えますように✨️
準々グランプリ!シロちゃんの可愛さだけではないご家族の楽しそうな団らんが評価にも繋がっていると思います。おっ父もお忙しい中、動画編集大変かと思いますがますますがんばってくださいね😊
シロちゃんとの最初の出会いから見ています。優しく朗らかなご家族の皆さんに巡り会えたこと、本当に嬉しく感謝の気持ちでいっぱいです。シロちゃん、本当に良かったね。皆様の健康とシロちゃんが元気に過ごせますように願っています🎉
◎シロちゃんとの出会いと動画配信のはじまり
Q.YouTubeなどのSNS配信を始めたきっかけを教えてください。
庭の芝生のメンテナンスをしている僕に、野良猫が話しかけてくる様子を、娘が2階のベランダから撮影していたんです。その動画を家族LINEで僕たちに送ってきたんですね。
それをTikTokに上げました。「TikTokやったことあるよ」と酒の場で話せればいいかな、くらいの軽い気持ちで。
もちろん、ただ上げるだけでは面白くないから、複数の動画を繋ぎ合わせるなどしてストーリー性を持たせ、説明を入れ、没入して頂こうと工夫しました。そうしたら、大反響で。
その中で「YouTubeもやって」というコメントがあり、YouTubeに同じように工夫しながら動画をアップしたところ、あれよあれよという間に今に至ります。
Q.では、シロちゃんはどのような経緯でお迎えされたのでしょうか?
シロが庭に現れた当初、家族は全員すぐにでも保護したがっていました。でも僕が猫のことを誤解していて、猫は絶対に飼わないと反対していたんです。猫は懐かない、物を壊すなどの印象がありました。今思えば、完全な僕の誤解です。
また娘が猫アレルギーだったということも、踏み出せない理由の一つでした。
一方でYouTubeのコメントには、「猫と暮らすことは、きっとあなたに素晴らしい幸福をもたらしてくれますよ」「明日急にいなくなるかもしれませんよ。私は後悔しました」など、経験に基づいた温かい言葉が多く寄せられていました。すでに僕自身、シロのことがかなり好きになっていたので、その言葉に心が揺れ始めていたんです。
そんなある早朝、シロが近所の野良猫と激しく争い、悲鳴を上げながら家の中へ飛び込んできました。足からは血が流れていました。
幸いかすり傷程度ではありましたが、シロの怯えた姿を見たとき、「飼うしかないな」と迎えることを決断しました。
Q.娘様のアレルギーは、一緒に暮らしはじめて問題なかったですか?対策などはされましたか?
娘のアレルギーは、視聴者さまからたくさんアドバイスをいただいたおかげもあり、現在は落ち着いています。
はじめてシロを家に入れたときは、娘は涙と鼻水が止まらなほどひどい状態で、当時受験生だったこともあって、かなり悩みましたね。
でも視聴者様からいただいたアドバイス(①シロを洗う、②こまめな掃除、③日々のブラッシング、④空気清浄機の設置)すべてを試したところ、症状はかなり軽減されました。半年ほど経つと、ほとんど症状が出なくなるほどに落ち着いたんです。
いまは娘は家を出ていますが、たまに里帰りしても症状は「少し出るかな」くらいで、一緒に過ごせるレベルです。
これが対策のおかげなのか、娘の免疫が変化したのかは正直わかりませんが、結果的にうまく対処できています。
◎驚きと笑いが絶えない、猫を知らない家族とシロちゃんの暮
らし
Q.実際にシロちゃんを迎えてみて、いかがでしたか?
おもしろいですね。もちろん可愛いのですが、猫のことを全く知らなかった私たちにとっては、シロの一挙手一投足がとにかく新鮮で、「なんておもしろいんだ」と毎日笑わされています。
迎えた初日から、受験勉強している猫アレルギーの娘の部屋にいりびたってるんですよ。「なんでだよ!」と家族で笑っていました。
いまだに、シロが歩いてるだけで笑っちゃうんですよね。「なんでお前ここにいるんだ」と思ってしまうくらい、いまだに新鮮なんです。
2年以上たっても家族5人みんなシロに夢中で、シロがおかしいのか、俺らがおかしいのか、どっちだろうって。笑
もともと仲の良い家族ではありますが、シロが来てから家の中がさらに明るくなりました。シロがウロウロしているだけで、みんな優しくなっちゃうんですよね。家の中が不穏な空気になりかけても、シロが変なことをして笑わせてくれることも多いです。
それに、シロはずーっとひとりで爆音でしゃべっていて、とてもにぎやかです。人の言葉もよく理解していて、特に妻との会話は成立していて、見ていて本当におもしろいです。
いまだに、毎日爆笑することばかりです。
Q.猫を知らないご家族とのことですが、猫との暮らしでいちばん驚いたことはなんですか?
迎えたその日に、シロが食卓に上がったときは衝撃でした!猫が食卓のご飯をクンクンしているなんて、当時の私には信じられませんでした。
犬と違ってしつけが難しいと聞いていたので、「この先一緒に暮らしていけるのか?」と自信がなくなりましたね。
でも今では、まったく気になりません。ある意味、自分の変化に一番驚いていますね。笑
それから、迎えて3日目くらいにシロが電子レンジを破壊したことも衝撃でした。レンジの上の棚に上って遊んでいて、そこから落ちてしまったようで、レンジの蓋がボキッと折れていたんです。
「障子破くとか、ソファーをボロボロにするとかじゃないの?」「まさか、家中破壊しないよな?」と、電気屋に向かいながら、かなり怯えていました。笑
でも、その後は何も壊しておらず、結果的に“最初の一回だけ”でした。
◎シロちゃんを育てているのは視聴者さま
Q.YouTubeはチャンネル登録者数が24.5万人(2025年11月時点)と大人気ですが、配信において大切にされていることはどんなことですか?
視聴者さんとのコミュニケーションがいちばん大事です。
YouTubeの配信をしていますが、僕の中ではFacebookとかInstagramのような、双方が知り合いの、友達のような感覚でやっています。もちろんコメントはすべて読んでいますし、できる限り返信しています。その交流が楽しくて、今まで続けています。
メンバーシップも、今では500人を超える方が参加してくださっています。最初は抵抗もあったのですが、「お金儲けではなく、素敵なコミュニティができるから」と勧められて始めてみたところ、本当にその通りでした。
お世辞かもしれませんが、Googleの担当者さんにも「こんなに優良なメンバーシップはなかなかないですよ」と言っていただいて、とても素敵な方々に恵まれていると感じています。
Q.視聴者様に支えられているYouTube、素敵な空間ですね!
本当にそうです。 僕は、“視聴者さんがシロを育ててくれている”と思っています。
猫について何も知らない僕が、視聴者さんが言うことを代理でやってるという感覚です。「こうしてあげるといいよ」と言われれば試してみますし、「それはやめたほうがいいよ」と教えてもらえたらすぐに改善します。
本当はよくないのかもしれませんが、僕は猫に関して自分で調べたことは一回もないんです。一般的な猫の情報より、僕らの環境や性格、シロの個性をよく知っている猫マニアの人たちが、“僕らのためにくれたアドバイス”が何より信頼できると思っています。
そもそも、SNSにアップしてなかったら、きっと僕はシロを保護していないです。SNSのコメントで「猫って本当にいいよ」「迎えないと後悔するよ」というみなさんの声があって、保護を決断できました。もう、本当に感謝しかありません。
Q.今後のYouTubeなどのSNSは、どのようにお考えですか?目標やビジョンなどはありますか?
特に大きな目標があるわけではないのですが、できる限り今のスタイルのまま、長く続けていけたらいいなと思っています。
僕がグラフィックデザイナーなので、いつかシロのグッズを制作したいという思いはあります。
そして今、明日香出版様からお声がけいただき、来年の春に向けてシロのフォトエッセイを制作中です。動画だけでは伝えきれない、シロを迎える前に抱えていた葛藤や、視聴者さんへの感謝の気持ちなども、しっかり言葉にして届けられたらと思っています。
◎『ある家族と、白い迷い猫。』さんからメッセージ
Q.最後に、『ある家族と、白い迷い猫。』さんのファンの方、読者の皆様へ向けて、メッセージをお願いいたします。
先ほどもお話ししましたが、シロを育ててくれたのは視聴者さんだと思っています。本当に感謝しかありません。
みなさんからいただく温かい言葉のひとつひとつが、僕にはもったいないくらいで、素晴らしい人格者ばかりだなと感じます。
SNSでこんなに温かい人たちに出会えたこと、そしてその支えのおかげでシロを迎えられたこと、いまも支えてもらっていること、僕は本当に運がいいなと思います。
Q.『推し猫グランプリ2026』にはご参加いただけますか?
また推薦していただけるのであれば、参加させていただきます。
「猫の社会問題を多くの人に知ってもらう」という協会の主旨もふまえて、またみんなで楽しみながら参加できたらとても嬉しいです。
◎『ある家族と、白い迷い猫。』さんインタビューまとめ
おっとう様は動画のままの温かいお人柄で、シロちゃんのこと、ご家族のことを笑いを交えながらたくさんお話しくださいました。
シロちゃんが面白くてたまらないこと、ご家族をとても愛されていること、そして視聴者さまへの感謝の気持ちでいっぱいなこと、そのままダイレクトに伝わってくる温かいインタビュー時間でした。
『ある家族と、白い迷い猫。』の人気は、シロちゃんだけではなく、ご家族の温かさあってのものでしょう。
そして動画には映らない視聴者様のお気持ちが、見ている人をさらに幸せにしてくれているのだと思います。
猫は、自分に適した家がわかるのでしょうか?
そんな不思議を感じさせてくれるほど、温かいご家族にぴったりなシロちゃんです。
取材/文:大久保ユカコ

