「ねこを売らない猫の店」のキャッチフレーズのもと、千葉県初の保護猫カフェとして浦安市堀江にオープンした『猫の館ME』。譲渡に至りにくい成猫に特化した保護猫カフェ&生体だけは売らない猫グッズのお店として地域に根付き、多くの方から愛され続けています。
そんな『猫の館ME』が創業10年という節目の年に、「猫」の名がつく念願の地『猫実(ねこざね)』へ進出!ついに、2022年5月22日に正式オープンを迎えました♪
今回は正式オープン直前の『猫実館』に突撃取材!代表を務める小倉則子さんに貴重なお話をたっぷりインタビューさせていただきました!
2021年受賞団体インタビュー記事はこちら▼
◎『キャットラウンジ 猫の館ME』とは?
・運営:ガッテリア株式会社
・代表取締役 小倉則子さん
・2013年 千葉県浦安市堀江に千葉県初の里親募集型猫カフェ「キャットラウンジ 猫の館 ME」をオープン
・2016年 「猫を売らない猫のお店」(生体販売をしない猫専門ショップ)としてリニューアルオープン
・2022年千葉県浦安市「猫実」の地にて「猫実館」をグランドオープン
・「♯いざ猫実」のキャッチフレーズとともにクラウドファンディングに挑戦し大成功!
◎猫の館ME『猫実館』がついにオープン!
千葉県浦安市「猫実」。豊受神社の向かい、交差点の角にオープンした『猫の館ME 猫実館』。道路に面した大きな窓ガラスからは、館内の保護猫さんたちがのびのび暮らす様子が伺えます。
「よく晴れた日は神社を囲む緑の木々が本当にキレイなんですよ。通りから覗き込みながらにこにこしてくださる方も多いですね。スタッフの働きぶりもお外にまる見えなので、自然と背筋もピンとします(笑)」
明るい表情で語ってくれたのが、猫の館MEオーナーである小倉さん。まだ「保護猫カフェ」という言葉が生まれていなかった2013年に1号店となる「堀江館」を開業し、「猫実館」のオープンに至る約9年間で“222頭”の成猫たちを譲渡へと結び付けています。
▲『猫実館』のオープン直前に7匹の保護猫さんが卒業し、譲渡頭数は偶然にも“222頭(にゃんにゃんにゃん頭)“に!
2022年4月に移転、ゴールデンウィーク期間のパイロットオープンを経て、5月22日に正式オープンとなった『猫実館』。
猫たちにとっても、お客さまにとっても、働くスタッフたちにとっても過ごしやすい空間が広がる店内には、たくさんのこだわりが散りばめられています♪
◎こだわりをすべて形にした『猫実館』
入店するとすぐ目に入るのはオシャレな物販コーナー。受付奥のガラスからチラッと見える猫カフェ空間が、ワクワク心をくすぐります。
▲可愛らしい雑貨が盛りだくさん♪
店内に入ると目に入るのは、部屋全体に張り巡らされた「猫の道」の数々! キャットタワーから天井へ、天井から壁面キャットウォークへ。
天井の可愛らしいシャンデリアや温かい電球灯に包まれながら、大きな窓から差し込む自然光が店内全体をふんわりと包み込みます。
スタッフさんが常駐する水場の真上はガラス張りになっていて、カワイイ肉球の虜になってしまう仕掛けまで!
店内の至る所で、のんびり日向ぼっこをする猫たちのリラックスしたお顔と出会えます♪
▲お気に入りのポカポカスポットでお顔をふきふき…♪
館内に設置してある可愛らしい猫グッズはすべて購入可能で、猫実館全体がモデルルーム化しているんだそう!
▲保護猫さんプロフィールや店内雑貨カタログがずらり…♪ つい時間を忘れて読み込んでしまいます。
▲気になったグッズはその場で注文可能。保護猫カフェ運営の新しいモデルケースともいえる斬新な取組み。
もちろん人馴れ中の保護猫さんのための練習スペースもあり、快適さと機能性、希望をすべて詰めこんだ空間が広がります。
「商業猫カフェに負けない場所を作りたかった。」
そんな想いを語った小倉さんからは、保護猫活動にかける強い信念が伝わります。
「保護猫カフェとして、譲渡だけを考えるのであれば小さなシェルター空間だけで十分。ただ、それだけではどうしても収益性が出ずに潰れてしまうお店もたくさんあります。持続可能な活動を続けていくためには、集客に長けた商業猫カフェから学ぶべきことも多いと思いました。」
実際に自分の足で大型商業猫カフェへ視察に行き、学んだことを『猫実』の地で形にする―。
そんな悲願を単なる夢や理想ではなく実現まで至らせたのは、約10年におよぶ信頼の積み重ねと、心を打たれた多くの支援者からのサポートがあったからでした。
◎10年越しの悲願、合言葉は「♯いざ猫実」
▲画像引用:クラウドファンディング公式ページより
「開業を決意した当初から『猫実に保護猫カフェを開きたい!』と心に決めていました。ただ、当時は保護猫活動への理解もままならない時代で。爪とぎや臭いを気にする地主さんも多く不動産屋からは門前払い。それでも繰り返し不動産屋に足を運び続け、『また来たの?笑』なんて言われながら、10年以上探し続けましたね。」
第1号店である堀江に『猫の館』をオープンさせる前から、“猫実で保護猫カフェ”への強いこだわりがあった小倉さん。その間に多くの信頼を積み重ねたからこそ、今回『猫実館』のオープンに至った物件は一般公開前に個別で声をかけてもらえ、内装の自由度も高いまさに理想的な条件だったそう。
▲窓際の特等席でリラックスポーズ(笑)
◎多くの支援者に支えられたクラウドファンディングは異例の大成功!
10年の悲願、念願の地「猫実」での保護猫カフェオープンに向けて実施されたクラウドファンディングでは、担当者が驚きを隠せないほど異例の支援を受けての大成功!
目標額1200万円という保護猫カフェとしては最大規模の挑戦に対し、1608万円を超える支援金額が集まる結果となりました。
「保護猫活動を通じて出会った多くの人が、10年越しの悲願達成を応援してくれたんだと思います。本当にありがたいですね。」
▲インタビュー中の小倉さんにすりすり甘える場面も
クラウドファンディング期間中、専用サイト内で50記事近いお知らせを投稿。SNSやYouTube、ブログといった発信メディアをフル活用し、継続的に丁寧な情報発信に取り組み続けている点も、『猫の館ME』の魅力を多くの人に伝えられた要因のひとつ。
今後の『猫実館』からの発信も、今から期待値が高まります!
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◎2月22日に出会った“社会貢献”につながる新チャレンジ
猫実での新店舗オープンととも新たにスタートした取組みが、オリジナル商品「猫スタッフオリジナルラベル付きチャリティブラウニー」。実はこの商品、浦安市内の障がい者福祉事業所に通う利用者さんたちがラベル貼りを担当してくださっているそうです!
「買っていただくことで『猫の館』へのチャリティにもなりますし、障がい者福祉施設で働く皆さんの工賃としても循環できます。保護猫活動は社会貢献を“してもらう側”になりがちな立場ですが、私たちにもできる“社会貢献”事業としての第一歩となる取組みだと思っています。」
創業10年という節目の“2月22日”に出会ったチョコブラウニーは、ラベルの可愛さはもちろん味もピカイチ!(取材後に購入させていただきました)
人気すぎて売切れてしまうこともあるそうで、『猫の館ME』の新しい目玉アイテムとしてますます注目されそうです♪
◎新たなモデルケース『猫の館ME 猫実館』に期待
千葉県初の保護猫カフェを開設し、「猫を売らない猫の店」を掲げる唯一無二のスタイルを確立。新型コロナウイルス感染症の影響を乗り越え、念願の地『猫実』への信念を持ち続けながら“222頭”もの成猫と新しい家族の架け橋となってきた『猫の館ME』。
保護猫活動にかける熱意と信念はもちろん、「どうすれば持続可能な運営を築けるか」という視点でのご活動は、これからの日本の保護猫問題にとって、非常に重要な要素となるでしょう。
多くの癒しと学びを届けてくれる『猫の館ME』、千葉県浦安市を訪れた際はぜひ一度、と言わず何度でも!足を運んでみてはいかがでしょうか?
取材・撮影/南マイコ