『推し猫グランプリ2020』で上位入賞された「ネコ田」さん。
YouTubeにて、下半身麻痺のハンディキャップを持った保護猫カンプくんの成長記録を発信されています。
保護当時は受験生だったネコ田さん、ご自身の生活スタイルが変化する中で、カンプくんの魅力を発信し続けることへの「想い」や、愛猫さんとの暮らしについてインタビューしました!
◎ネコ田×愛猫カンプくん プロフィール
・YouTubeチャンネル:ネコ田(登録者人4.62万人:2020年10月時点)
・公式Twitter
・カンプくんを保護してからの成長記録を発信中
・カンプ♂:2018年7月に保護。下半身麻痺(原因はおそらく外傷性)。名前の由来はサッカー選手。人懐っこい白猫さん。
◎応援コメントに心が震えた推し猫グランプリ上位入賞
Q.『推し猫グランプリ2020』14位入賞おめでとうございます! 受賞を知った時のお気持ちや周囲の方の反応はいかがでしたか?
推し猫グランプリの結果です!14位入賞!たくさんのご投票ありがとうございました!とっても嬉しいです😊
そして、
明日の夜に動画アップします。いよいよ最近のカンプの動画です。ぜひみてください! pic.twitter.com/2JZCzGGOBr— ネコ田 (@cat16wave) May 28, 2020
まず、「推し猫グランプリ」という催し物を知らなくて(笑)ノミネートのメッセージをもらってとてもびっくりしました。
参加させてもらいましたが、「入賞したい!」とかいう思いはなくて、ただただ「こうゆうのやってるんだ。参加してみたいな」という気持ちでした。
それで、SNSなどで情報を発信してみたら多くの皆さんに見ていただけて、入賞もいただけて。自分としては本当にありがたかったです!
入賞の報告をTwitterとか伝えたら「おめでとうございます」というコメントも頂けて、とても嬉しかったですね。
■推し猫グランプリ入賞をお知らせしたTwitterや、結果発表サイトにはたくさんの応援メッセージが寄せられました!
カンプ君頑張って!とても綺麗な目をしたかわいい猫様です。下半身が不自由だけど、ねこ田さん家族に愛されて、毎日を過ごしている姿に癒されます。
カンプちゃんの動画に癒やされ励まされています。うちにも下半身不随の子がいるので。これからも応援します!
いつも動画を見て癒やされてます。一生懸命に生きる姿、吸い込まれるような無垢な瞳に元気をもらえます!かわいい。と呟く優しい飼い主さんも素敵です!
◎ハンディのある保護猫×ネコ田さんの魅力
Q.愛猫カンプくんとの暮らしの中で、幸せに感じる瞬間はどんな時ですか?
自分は今までネコを飼ったことがありません。カンプは下半身麻痺を抱えているので、いわゆる“普通”の猫との暮らしではないと思うんですけど、自分はそう思わなくて、カンプは“ただの猫”なんです。
なので、幸せを感じるっていうのも「ただ猫と一緒に暮らしている」という、“普通”の幸せを感じていると思っています。
Q.反対に大変だと感じることはありますか?
大学進学をきっかけに僕が1人暮らしを始めました。その結果、カンプが1匹で過ごす時間がとても長くなってしまった時期は、いつも心配していました。
親も仕事に行っていますし、僕も学校がありますし、どうしても留守番をさせなければならなくて。そこでもしカンプに何かあっても「ハンデのある身体では対応できないかもしれない」って思って、不安でしたね。
今はコロナの影響もあって、オンライン授業が中心の生活になりました。なので、実家に戻ってカンプと過ごす時間が作れています。
Q.ネコ田さんとの時間が作れて、カンプくんも嬉しいですね!
そうですね! カンプ自身もテンションが上がって、前足だけで椅子とかベッドとか登って勝手にジャンプしたり飛び降りたりしてます(笑)
それを見ていて「危ない」って思っていたんですけど、やっぱり猫だから、身のこなしが軽やかで意外と大丈夫だったのかな?っていうのは、最近わかりました。心配しすぎたかなーって(笑)
Q.カンプくんだけでお留守番してるときに、何かイタズラをしたりはしないんですか?
いたずらですか? いたずらは……何だろうな。。。
テーブルの上の物が落ちているのは、毎回ではないですけど頻繁にありますね。
あとは、イタズラというわけではないですが、最近寒くなってきたせいか、自分でベッドに上がって毛布にくるまっていることがあります。
それが可愛いから、全然いいんですけどね(笑)
Q.ネコ田さんからみたカンプくんの魅力とは、ズバリ何でしょうか?
いやー、顔がかわいいですよね(笑)
整ってるなーって思います。白猫ってのがまたいいですよね。
毛並みもツヤツヤだし。特別なケアとかはしていないので、多分元々毛並みのいい子なのかなって思います。
一言でいうと、『可愛い顔』が魅力ですね!
ハンディキャップを含めた「カンプ」くんを愛するネコ田さん
「下半身麻痺の猫との暮らしを伝えたい」と取材を快諾してくださったネコ田さん。実際にお話を伺うと、カンプくんという1匹の猫の存在を心から大切に感じている、優しさと愛情がひしひしと伝わってきました。
誰よりもカンプくんを愛するからこそ、ネコ田さんの視点で撮影された自然体のカンプくん動画には、とてつもない癒しパワーが込められているのですね! そんなネコ田さんとカンプくんとの絆について、さらに深堀してお話を伺いました。
◎初めて保護した猫との生活と、ファンとのつながり
Q.これまでのご活動の中で特に印象に残っていることはなんですか?
もちろん「可愛い」とか「癒される」とか、そういったプラス面も印象に残ってるんですけど。やっぱり「心配だ」っていうややネガティブなことも多いですね。
最近は落ち着いてきましたが、カンプは数か月に1回血尿を繰り返してしまうんです。そうなってしまうと、治療のために病院に連れて行かないとなんですが、病院自体が相当なストレスになっているようで……。
この前連れて行った時に過呼吸気味になってしまいました。
『病院に連れていきたいけど、連れていくとストレス感じるかな? でも、連れて行かなきゃ身体が心配だし……』みたいな感じで、いろいろ葛藤しています。
でも悪いことばかりではありません。こうした葛藤から、カンプにとってより良い暮らしにしていけたら、と思っています。
Q.ネコ田さんといえば、カンプくんを保護した時期がちょうど受験と重なっていましたが、大変な時期を乗り越えた率直なご感想を教えてください。
受験勉強の時は「カンプが唯一の救い」というか、癒しの存在でした。逆にカンプがいなかったら、ここまで頑張れなかったかもしれませんね。「落ちてもまぁいっか、カンプいるし」というような、心の支えにもなっていました。
受験時期は精神的にきつかったですが、メンタル面でカンプにかなり救われましたね。本人は全然そんな気はないでしょうけど(笑)
本当に良い時期に来てくれて、カンプのおかげで無事に大学に進学できました。
Q.保護当時の動画では特に、ファンの皆さんのアドバイスがとても温かい印象を受けました。繋がりが深いですね!
僕自身、ネコを飼ったことも保護したこともなかったので、保護した時に視聴者の皆さんに「どうやって対処していけばいいか?」っていうのを求めていました。それがきっかけで今の(カンプくんの)動画投稿始めたんです。
今はコメントをお返しするとかができていないのですが、いつも優しいコメントをいっぱいいただけて。カンプって愛されてるんだな!ってしみじみと思っています。本当にありがたいですね。
Q.カンプ君の圧迫排尿(トイレのお世話)の動画をアップされていますが、こちらの動画にはどんな想いが込められていますか?
僕がカンプを保護した時、わからないことばかりで色々調べたかったのですが、下半身麻痺の猫の保護方法っていうか、お世話の仕方を発信した情報が少ないと感じて、とても困りました。
なので、もし今後自分と同じように下半身麻痺の子を保護した人が迷った時に、ちょっとでも目に止まって役立ててもらえればいいかなーと思い、動画を作成しました。
動画のコメントに「こういう風にお世話されてるんですね」などのコメントも頂けて。少しでも誰かの役に立てていれば嬉しく思います。
ファンに助けてもらった今、誰かの役に立つ動画を
カンプくんを保護した当初、視聴者さんから多くのアドバイスをもらい、それにとても助けられたそうです。
命と向き合い、カンプくんとの生活を重ねてきた今、「次は自分が誰かの役に立てれば」「当時の自分のように困ってしまった人のために」そんな想いも込めて発信を続けられているとのこと。人から人へと優しさがめぐっていく、とても素敵な取り組みですね!
◎カンプ君の魅力を引き出すYouTube発信の極意
Q.YouTubeの発信面で意識されていることはありますか?
ちょっと表現が難しいんですけれども、「意識しないこと」を意識しています。
他のペットチャンネルって、ネコが主人公でストーリー性があるというか、華やかなイメージ?があったんですが。
このままのカンプをみんなに見てほしいっていう想いがあったので、あえて何の音楽もつけないし、静かな印象の動画を作っているつもりです。
その方がカンプの魅力が伝わりやすいかなって思っています。
Q.確かにカンプ君の動画は、そっと隣りに寄り添ってくれているような優しい気持ちになります。以前はライブ配信もされていましたね!
はい! ライブ配信はまたぜひやりたいですね!
ただ、いろいろ機材とかを揃えたいなって思ったりもして、まだ再開できてない状態です。
でも、またやりたいなって、前向きに考えています。
Q.YouTube発信を継続されるうえで、大変なことはありますか?
大変っていうのはあまりなく、むしろ楽しいですね。カンプを見てもらえて、色んなコメントもいただけて。
カンプのことを家族のように大切に想ってくれている方もいるんです。なので、その方たちにもちゃんと届けたいなと思っています。
Q.今後の目標ややってみたいことはありますか?
現在のスタイルは崩さずに、でけるだけいろいろな面のカンプを皆さんに見ていただければな、と思っています。
それで、皆さんが少しでも癒しを感じてもらえるのであれば、とても嬉しいですね。
登録者うんぬんというのは、正直何とも思っていません。もちろん、登録というカタチで応援いただいていることはありがたいですが。
単なる数字ではなく、いろんな方にカンプを見ていただければ、という思いが強いです。
◎ネコ田さんからメッセージ
Q.最後に、ネコ田様のファンの皆さんや猫好きな読者の方へ向けて、メッセージをお願いいたします。
いつも動画を観ていただいている皆さん、カンプを愛してくださって本当にありがとうございます!
カンプの動画を公開し始めたころは右も左も分からない状態で、僕が皆さんに助けを求める立場でした。
皆さんに支えていただいて、その中で「カンプがこんなに元気になりました」みたいな形で動画をお見せできることが、本当にありがたいことだと実感しています。
ぜひ、今後もカンプの成長を見守り続けていただけたらなと思っています。
それと、カンプのこと初めて知った読者の皆さんへ。
カンプは保護猫で、下半身麻痺という障害を抱えています。でも、障害を抱えていても、保護猫でも、「猫」というのは変わりないです。
そういう(ハンディキャップを抱えた)猫と一緒に生活してみると、価値観が変わります。そういった変化や幸せ、暮らしについて、自分の動画を通して少しでも感じていただけたらなと思っています。
Q.第2回『推し猫グランプリ』に向けて、ぜひ意気込みをお願いいたします!
入賞とか優勝とか、グランプリ受賞!みたいなのは考えずに、また自分ののんびりとしたスタイルで参加させていただけたら嬉しいです。
◎まとめ
今回のインタビューを通じて、ネコ田さんが心からカンプくんを想い、大切に大切に日々を過ごしていることが伝わってきました。
ハンディキャップをもつ命を支えることは、並大抵のことではありません。そんな大変さや葛藤をすべて包み込み、本当に自然体で「カンプはカンプであって、ただの猫なんです」と語ったネコ田さんにとても感銘を受けました。
ネコ田さんとカンプくんの強い信頼関係が伝わるからこそ、多くのファンの心を鷲づかみにするのかもしれませんね! 今後もカンプくんの成長記録から目が離せません。
取材・文/南マイコ