保護猫カフェたまゆら「猫と人のマッチングを大切に」|推し猫グランプリ上位入賞者インタビュー

『推し猫グランプリ2020』猫カフェ部門で見事に10位入賞された「保護猫カフェたまゆら」さん。

人形町駅から徒歩1分というアクセス抜群の都心に位置し、癒しと安らぎを感じられる空間が人気の里親募集型保護猫カフェです。

今回は「保護猫カフェたまゆら」でのご活動について、スタートしたきっかけや想い、思い出深い出来事、御蔵島との繋がりなどについてお話を伺いました!

◎保護猫カフェたまゆらとは?基本情報・略歴

・東京都中央区 アクセス抜群の里親募集型保護猫カフェ
・アクセス:都営浅草線・東京メトロ日比谷線「人形町駅」A3出口徒歩1分、都営新宿線「浜町駅」徒歩6分
・御蔵島(みくらじま)出身の保護猫さんが多数在籍
・貸切プランあり(要予約、希望日の2営業日前までに電話orメールにて)

◎推し猫グランプリ受賞について

Q.『推し猫グランプリ2020』10位入賞おめでとうございます! 受賞を知った時のお気持ちや周囲の方の反応はいかがでしたか?


まさか入賞するとは思っていなかったので「10組中の10位かな?(つまり最下位)…え!違う!入賞してる!?」とびっくりしました笑

 

■10位入賞となった当グランプリ結果発表ページには、数多くの応援コメントが溢れています。

たまゆらの猫ちゃん達はみんな幸せそうでこちらも嬉しい気持ちになります。これからも頑張って下さい!応援しています!!

きれいで落ち着く、猫ちゃん達がノビノビと楽しそうに過ごしている素敵な猫カフェさん、応援しております!

いつもTwitterの更新を楽しみにしています。頻繁には伺えていないのですか、清潔感のあるアットホームな雰囲気が素敵です。沢山の保護猫ちゃんたちがずっとのお家とのご縁に恵まれますように。オーナーさん、お体お大事にしてくださいませ。

◎保護猫活動をはじめたきっかけと想い

Q.保護猫カフェ・保護猫活動を始めたきっかけはなんですか?

▲画像引用:保護猫カフェたまゆら公式ブログ

自分自身が、以前ボランティアをしていた保護猫カフェから、わが家に保護猫さんをお迎えした経験があります。猫さんと一緒に暮らしていく中で、「もっともっと多くの猫さんを幸せにするお手伝いがしたい」と思うようになりました。

ちょうどその頃に勤めていた会社を辞めたこともあって、自分で保護猫カフェを始めようと思い立ちました。

最初は猫を幸せにすることしか意識していかなったのですが、里親さんから「猫を迎えて、毎日本当に幸せです」という言葉をもらい、『この活動は人も幸せにする』と目からウロコが落ちる思いでした。

それからは、より一層『人と猫のマッチング』を意識するようになりました。

 

Q.「保護猫カフェたまゆら」をオープンされてから現在に至るまで、特に印象に残っている出来事がありましたら、ぜひお聞かせください。


今回のコロナ禍での休業中、ほぼ一人で毎日お店に通い、猫さんのお世話をしていました。

その中で、この先どうなるのかと心細く思うこともあったのですが、本当にたくさんの方から様々な形でご支援をいただきました!

「こんなにも応援してくださる方がいるのか!」と驚くとともに、まだまだ頑張らなくてはと勇気をいただきました。

 

Q.新型コロナウイルス感染症が保護猫活動に与えた影響や取り組んだ感染対策、今後の願いなどについてご意見をお聞かせください。

現在、定員をもともとの半分ほどに制限しています。その影響ですぐに満席になってしまい、入店をお待たせしたり、お断りしたりすることが増えていて心苦しいです……。

実際に取り組んだ感染対策としては、営業を再開するタイミングで、営業中に一度クローズし、掃除と消毒をする時間を新設しました。

 

◎御蔵島(みくらじま)出身の保護猫の仲間入りについて

Q.多くの保護猫さんは離島(御蔵島)出身だと伺いました。具体的にどういった経緯で保護され、たまゆらさんにお仲間入りをするのでしょうか?

御蔵島(みくらじま)では、森で野生化した猫たちが島の固有種であるオオミズナギドリを捕食し、島の生態系を壊してしまう恐れがある、という問題が起きています。

そこで鳥を守るために「御蔵島のオオミズナギドリを救いたい有志の会」のメンバーなどが森に住む猫を捕獲(保護)する活動を行っています。

保護した猫たちは、有志のメンバーのお家で不妊手術やワクチン接種を実施。その後、メンバーさんが里親を探しています。たまゆらでは里親探しをお手伝いする意味で、たまゆらに島出身の猫さんをお迎えをし、里親さんを募集しています。

「御蔵島のオオミズナギドリを救いたい有志の会」公式サイトはこちら

 

Q.御蔵島とたまゆらさんとを繋いだきっかけは何だったのでしょうか?

たまゆらでイベントを開催した際に、御蔵島の有志の会のメンバーさんがお客様として来てくださいました。その時に、御蔵島に暮らす猫たちの保護活動と里親探しのお話を伺いました。

そこで、猫だけでなく鳥も救える活動の趣旨に賛同し、たまゆらで猫さんたちをお預かりできないか打診したのがきっかけです。

 

猫も鳥も、救える命に手を差し伸べる

「保護猫カフェたまゆら」のご活動を通じて、遠く離れた島で救われたたくさんの命があります。
保護猫も御蔵島の生態系も、どちらも守り、人とつなぐご活動ー。その中で、人と保護猫のマッチングも大切にされており、すべての命に丁寧に向き合う想いが伝わりました。
そんな魅力的な「つながり」を生む活動について、さらにお話を伺いました!

 

◎ずっとのお家が決まる喜び

Q.保護猫さんたちと過ごす中で感じる「幸せな瞬間」や「大変なこと」がありましたら教えてください。

幸せな瞬間は、なんといっても“ずっとのお家”が決まった時と、お家で幸せに暮らしているご報告をいただいた時です。

大変なことは、猫同士で相性が合わない子がいる時に、少しでもストレスがないように、どんな風にたまゆらで生活してもらうかを悩む時ですね。やはり集団生活なので、人間関係ならぬ「猫間関係」に気を遣います。

 

Q.保護猫さんの里親となる方を随時募集されていますね! トライアル希望や譲渡希望はたまゆら店内で受け付けているのでしょうか?

里親希望の方には、必ず複数回たまゆらに通って、猫たちと触れ合ってからのお申し込みをお願いしております。

猫はこちらからお届けにあがっているので、恐縮ですがご遠方の方は受け付けておりません。トライアルや譲渡をご希望の方は、たまゆらにお越しいただくようお願いいたします。

 

Q.たまゆらさん店内には常時何匹くらいの保護猫さんが暮らしているのでしょうか? また、年間で何匹の保護猫さんが譲渡に至っているのでしょうか?

常時15匹ほどの猫さんたちが暮らしています。年間では20匹前後の猫さんが卒業しています。

里親募集中&卒業した猫さん情報はこちら(たまゆら公式HP)

 

Q.譲渡先が決定した時の率直なご感想や想い、印象に残っていることを教えてください。


里親さんが決まった時は「嬉しい!」の一言です。中でも印象的だったのは、大急ぎで物件探しをされた里親さんですね。

多くの方が、猫さんと暮らしたいという気持ちが先にあって、ご自身と気の合いそうな猫さんを探されています。

ですが、猫を迎えるつもりはなくただ遊びに来てくださっていた方が、ある猫さんと出会って「この子と暮らしたい!」と思い立ち、ペット可の物件に大至急お引越しをされたことがありました。

その時は、「それだけ想ってくれるご家族の元に行けるなんて、なんて幸せな子だ!」と感動しました。

 

Q.常連さんから卒業猫さんへのプレゼントなど、とても温かい雰囲気に包まれていますね! 常連さんやお客様、里親さんとのつながりで大切にされていることはありますか?

お客様には、より楽しい時間を過ごしていただけるよう、猫たち一匹一匹の好きな撫でられ方や遊び方などをお伝えするよう心掛けています。

常連さまにはいろいろ助けていただいて、感謝しかありません!

里親さまには、譲渡後もお困りのことなどあったら気軽に相談していただけるような関係でいることを大切にしています。

 

◎「保護猫カフェたまゆら」の多岐に渡る取り組み

Q.たまゆらさんでは貸切プランにも対応していますね。(コロナの影響前後も含めて)皆様の反応はいかがでしょうか?

▲画像引用:保護猫カフェたまゆら「貸切プランのお知らせ」より

まだ貸切プランが浸透していないのか、さほどご利用は多くありません。

ですが先日、お友達のお誕生日祝いということでご利用があり、そんな使い方もあるのかと新しい発見をいただきましたし、記念日にたまゆらでの時間を選んでいただいたことにとても嬉しく思いました。

貸切プランの詳細はこちら(たまゆら公式ブログ)

 

Q.ヒューマンアカデミーさんとともに、「ペット関連」のオンラインセミナーを開催されていましたね! 開催をしてみたご感想や参加者の皆様の反応などはいかがでしたか?

ヒューマンアカデミーの方がとても上手く進行してくださったので、私も楽しい時間を過ごせました!

また、オンラインセミナーがきっかけで遊びに来ていただいたお客様もいらして、大変ありがたく思っております。

 

withコロナ時代に「貸切プラン」はどう生きる?

新型コロナウイルスの影響で、人の生活は大きく変化しました。第三者との密集した空間に抵抗をもつ人も増えた中、たまゆらさんが提供する「貸切プラン」は注目されるべきサービスではないでしょうか?
トライアル前に家族だけでじっくり猫さんと向き合ったり、少人数での小さなイベントを保護猫さんと一緒に楽しんだりすることもできます。
「コロナが心配だから保護猫カフェに行かない」のではなく、どう利用するべきかを考えることも、私たちができる保護猫支援のひとつのカタチですね!

 

 ◎情報発信で大切にしていること

Q.公式サイト内の保護猫ちゃん情報やブログ、SNS投稿など、情報発信をしていくうえで意識されていることや大切にしていることはありますか?

▲画像引用:保護猫カフェたまゆら公式ブログ

なるべく猫たちの面白いことや可愛いところを見せていけるよう意識しています。そして、同じ内容でもきつく聞こえてしまうような表現をしないよう気を付けています。

 

Q.猫さんたちの可愛らしい写真で溢れていますね! 撮影はスタッフの皆さんが取り組んでいるのでしょうか? また、撮影で意識されていることやコツがありましたらぜひ教えてください。

SNSの写真はスタッフによるものです。撮影についてはまだまだ勉強中で、皆さんのような素敵な写真が撮れるようになりたいです!

 

◎保護猫カフェたまゆらの皆さんからメッセージ

▲画像引用:保護猫カフェたまゆら公式ブログ

Q.保護猫活動や猫カフェ運営について、読者に伝えたいメッセージをお聞かせください。

自分も若輩者なのでお伝えできるほどのことはないのですが、猫が好きで保護猫活動や猫カフェ運営を始めても、結局は人との繋がりが大切になってくると感じています。

ですので、ちゃんと『人』が好きでないと続かないと思っています。

Q.ちなみに『第2回推し猫グランプリ』にはご参加いただけますか?

これからもたまゆらニャンズの魅力をお伝えできるよう精一杯頑張っていきますので、応援いただけると嬉しいです!

 

◎まとめ

取材を通じて、小さな命と、それを取り囲む「人」を大切に想う気持ちがひしひしと伝わってきました。

都心の中にありながら、遠く離れた島で暮らす猫と、オオミズナギドリの保護活動までつながれる場所ー。

そんな強い想いを抱きながら、「人と猫」の快適さを追求するこだわりが、居心地のいい空間を生み出しているのかもしれませんね!

取材・文/南マイコ

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