『推し猫グランプリ2021』で見事に準々グランプリを受賞された「ねこかます」さん。
YouTubeのチャンネル登録者数は15万人以上! 保護猫活動に取り組む中、おうち猫となった7匹の愛猫さんとの暮らしを発信されています。
そんな愛猫さんたちとの日常や地域猫活動への思い、YouTubeを通じた発信について直撃インタビュー! ネコ愛溢れる貴重なお話をたっぷりお伺いしました。
◎ねこかます × 7匹の保護猫ちゃん
・YouTubeチャンネル:ねこかます
・Twitter/インスタグラム
・ブログ:ねこかます
・チャンネル登録者数:15.3万人以上(2021年9月時点)
・7匹の保護猫ちゃんとの暮らしや地域猫活動エピソードを発信中
◎応援に支えられた推し猫グランプリ投票
Q.『推し猫グランプリ2021』準々グランプリ受賞おめでとうございます! 受賞を知った時のお気持ちや周囲の方の反応はいかがでしたか?
おかげさまで、第二回推し猫グランプリで準々グランプリを頂きました。
皆様の暖かいご声援のおかげです。全ての猫さんたちに幸あれ。
応援して下さった皆様、主催者様、ノミネートで盛り上げて下さった全ての皆様に猫の御加護がありますよう。
#推し猫グランプリhttps://t.co/FVI1lIoUiY
— ねこかます (@nekokamasu) June 15, 2021
参加されている他の方々の豪華な顔ぶれの中、準々グランプリという結果をいただき非常に驚きました!
ふだん応援してくださっている方々の暖かい声援と祝福のメッセージに、感謝の一言です。
■推し猫グランプリ入賞をお知らせしたTwitterや、結果発表サイトにはたくさんの応援メッセージが寄せられました!
おめでとうございます♪
結果を知った時、嬉しくて泣きそうでした!これからも推し続けます💛
おめでとうございます!いつまでも元気な珍妙を見せつけてください!
You Tubeへ動画配信を始めた頃からファンです! 保護猫さんやお外から引き上げた子たちの為に頑張っておられ、頭が下がります。 どうか、お身体に気を付けて下さいませ。 これからも応援しています!
◎7匹の元保護ねこさん・通称『珍妙』との暮らし
Q.愛猫さんのそれぞれの性格やチャームポイントを教えてください!
我が家の猫たちはみんな保護猫で、うちにくるまでに死にかけたり、野良猫社会に叩きのめされたり、野良猫特有の病気などで苦労したり、そんな猫ばかりです。
そういう猫たちがお互いの立場を気遣い、ちょっとした衝突があっても学習してうまく折り合って我が家で生きていく。その中で珍プレーが生まれたりするので、そんなクスっと笑えるところを見てほしいと思っています。
◎麿白先生(マロシロ・センセイ)
愛称はマロ、先生、ウチューネコチャン、ミスター珍妙など
最初の保護猫。一家の主猫としてのプライドが高いですが、“猫”が非常にへたくそです(笑)
オス猫なのに過剰すぎる母性と猫をサボる姿の珍妙具合は「ウチューネコチャン」の二つ名の通り、一見の価値ありだと思います。
◎時雉(トキジ)
愛称はトッキー、時坊など
おとなしい次男坊猫。あとからきた年上の義弟たちに押される中、他の猫に気を遣う優しさを見てほしいと思います。
◎参瑚(サンゴ)
愛称は「さんちゃん」
野良猫あがりの三男坊。我が家の二つ名は「ベテラン子猫」ですので、その巨体から繰り出される甘えっぷりが見どころです。
◎曉璘(シャオリン)
愛称は「シャオ」「白たぬき」など
推定シニアの末っ子。「オッドアイの白猫型珍鈍獣」が二つ名。動物かどうかも怪しいくらいの珍鈍具合がチャームポイントです。
◎翡文(ヒフミ)
愛称は「ひふみん」「ひーくん」
持病を沢山抱えたオスの三毛猫。「甘ったれ王子様猫」の二つ名の通り、その甘えっぷりは他の追随を許しません。
◎チャー坊(チャーボウ)
愛称はそのまま「チャー坊」
元・武闘派ボス猫。現在は非常に従順なご隠居猫として腎不全の療養をしています。
◎釿汰/豈(キンタ/アニ)
愛称は「キンタ」「アニ」
元・街のアイドル猫兼ボス猫。チャー坊とのコンビ、翡文を交えたトリオの猫模様は非常に興味深いものがあります。
Q.愛猫さんとの暮らしの中で、幸せに感じる瞬間はどんな時ですか?
これまでに、預かりや里子に出した子猫、看取った猫、里親の仲介をした猫など、全部で70匹くらいの猫と縁がありました。多くの猫たちを看取ったり、巣立ったりしている中、巣立つことなく我が家で終生過ごす猫たちは、やはり私と強い縁があるように思っています。
彼らがなにもない穏やかな一日一日を過ごせる事、それが一番の幸せだと思います。
Q.反対に、大変だと感じる瞬間はありますか?
みんな保護猫なので、野良時代に負ったものや先天的なものなど、大なり小なり何かしら疾患を抱えており、投薬やケアが必要です。
病気の症状で痛みがあると、猫たちは外部から攻撃されていると思うことが多く……。そういう痛みや苦しみに寄り添う必要もあります。代わってあげる事はできないので、せめて向き合ってケアするしかない。それが大変といえば大変なことですね。
◎ねこかます×地域猫活動・保護猫活動の裏側
Q.地域猫活動に積極的に取り組まれていますが、スタートしたきっかけは?
保護活動をスタートしたのは2014年です。実は、2013年までは猫にまったく縁のない生活を送っていました。ちょうど友人の会社を手伝うことになり、撮影の仕事でカメラを借りる機会がありまして。せっかくだから動画や写真を撮ってみよう、という軽い気持ちで野良猫たちを撮影し始めたら、おもしろい動画がたくさん撮れて(笑)
近所の公園で猫だまりの撮影中、地域の猫ボランティアさんに声をかけていただき、そこから『TNR活動』を手伝うようになったのがきっかけですね。
※TNR活動とは?
・猫を安全に捕獲するTrap(トラップ)の「T」
・新たな子猫を生まないように不妊手術させるNeuter(ニューター)の「N」
・猫を元いた場所に戻すReturn(リターン)の「R」
この3つの頭文字からできた用語。お外で暮らす猫たちを望まない繁殖から守り、一代限りの命をまっとうしてもらうための活動です。
▲引用:公益財団法人どうぶつ基金
Q.愛猫さんや地域猫たちと過ごす中で特に印象に残っている出来事は?
保護猫活動の中で、子猫を産んでは民家に託していくという母猫(通称:カーチャン猫)がいて、ずっと避妊すべく追いかけては逃げられていました。そんなある日、その母猫が根城にしている公園を訪れると、母猫といつも一緒にいる去勢済みのオス猫がいて、私を見るやいなや、「こっち」と誘導するように移動し始めました。
そのまま、公園に隣接しているアパートの敷地まで追いかけると、その母猫が子猫を従えて待っていて。このときの「導かれた感」は異常でした。
決して捕獲機に入らなかった母猫が、その場ですぐに捕獲機に入り、無事に避妊手術することができました。猫は繁殖をコントロールできないからこそ、カーチャンネコも辛かったのでは? と思うんです。だからこそ子猫を託し、助けを求めたように感じています。
託された子猫も里親さんのもとで幸せに暮らしており、活動をしていてよかったと思う瞬間でもありますね。
◎「保護猫のありのままを伝える」情報発信への思い
Q.YouTubeチャンネル運営やブログ発信を始めたきっかけは?
ブログとYouTube、そしてニコニコ動画の更新はほぼ同時期に始めました。カメラを借りたのがやっぱりきっかけで、「動画も撮れるしアップしてみようかな~」みたいな軽い気持ちでスタートしました。ちょっと有名になったのは、下ネタ交じりのしょうもない動画で(笑)
最近ではもう、そういったテーマは封印しています。「保護猫活動」そのものが軽く映ってしまうし、去勢手術を受けてもらうネコたちにも失礼かなって思うので。
一時的に動画の更新を休止することもありました。そんな中でも、ずっと応援し続けてくれる人の支えもあり、動画をアップする活動の再開を決めました。
リスタート後は、現在のチャンネルで意識している「ネコの社会性や感情の機微」に焦点を当てるようになりました。
Q.動画投稿やSNS発信をするうえで意識していることはありますか?
そうですね、気を付けていることがあるとすれば、猫にまつわる事柄について感情的な発信になってはいけないとは思っています。
猫を取り巻く環境について、良いことも悪いことも含めて、世の中にはあらゆる事柄があり、そこには様々なバックグラウンドが存在します。だからこそ、私の動画で明確な犯罪以外は否定をしないし、その出来事の解釈には一歩引いて、含みを持たせるべきかなと。そこは気を付けている部分ですね。
◎ねこかますさんからのメッセージ
Q.最後に、ねこかますさんのファンの方、読者の皆様へメッセージをお願いいたします。
いつもご視聴、そして応援いただきありがとうございます!
保護猫活動は、“最善”はあるけど“正解”はないものだと思っています。そして、その“最善”の程度は個人の環境・リソース等で大きく変わってきます。私が縁のある猫たちに対して最善を尽くせるのも、また過去と比較して最善の幅を広げる事ができたのも、皆様の応援のおかげです。
これからも縁ある猫たちに対し、“最善”を尽くしていきたいと思っていますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
Q.ちなみに『推し猫グランプリ2022』にはご参加いただけますか?
まず、このような企画を催して下さる日本猫ねこ協会様に感謝を申し上げます。
保護猫活動は「猫が好き」というのだけではなかなか難しく、「その人が何をどこまでできるか」による所が大きいです。私自身は、縁ある猫たちの保護など、個人ベースでの活動が限界と悟っています。
一方、より多くの猫を救いたいと思うのであれば、事業化だったり人を多く集めたり、「推し猫グランプリ」のような企画で周知や啓蒙活動を行う事も非常に重要だと思っています。これは能力や情熱、人脈がなくては到底できる事ではありません。
私は他の猫アカウント様をめったに見ないのですが、今回の「推し猫グランプリ」は、私もいちSNSユーザーとして拝見させていただき、非常に楽しませてもらいました。
主催者様、ノミネートされた各猫アカウントの皆様、ご覧いただき投票頂いた全ての猫を愛するユーザー様に感謝しつつ、次回も開催されるのでしたらぜひ参加させていただきたいと思っています!
◎ねこかます様インタビューまとめ
地域猫活動や、保護猫たちのありのままを発信されている『ねこかます』さんより、愛猫さんとの関わりや保護猫への思いなど、たくさんのお話を伺いました。
ついクスっと笑顔になるような「珍妙」たちの日常はもちろん、保護ねこ活動で出会った多くの猫たちのありのままの姿を丁寧に記録されているねこかますさん。センス溢れる動画作成の裏には、保護猫たちへの想い、熱量、責任、“命”と向き合う覚悟など、多くの“愛”がひしひしと伝わりました。
地域猫活動や保護猫活動は、“知る”ことから始まります。ねこかますさんの動画を通じて、ねこ達の色んな表情に触れてみてはいかがでしょうか?
取材・文/南マイコ